5月28日(木)葉山マリーナから凪いだ海を滑るように出航した。
梅雨入り前のこの時期はいつも波が穏やかだ。
船長は「普段の行いがいいからでしょ」と真っ黒に日焼けした顔をほころばせ白い歯を見せた。
稲村ケ崎のホームに身を寄せていたYさんはいつも相模湾を見ながら「私が死んだらこの海に遺灰を撒いてね」と甥のIさんに話していた。
献体先から遺骨が戻ってきたのが3月のことで、いつ撒いたらいいですかとのIさんの質問に私は迷わず5月末か6月早々がいいでしょうと自信をもって答えた。
全くの偶然で私はこの日自然葬の帰りに生前契約をしているUさんのお見舞いに行く予定だったが、Yさんの住んでいた同じ老人ホームだった。
